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FAQちょっとした知識

ちょっとした知識として

換気の目的

  換気の目的は、建物内で絶えず発生する汚れた空気(建材や家具から発生するもの、人体や台所、浴室などから発生する水蒸気)を室内に留まらせることなく、絶えず新鮮な空気と交換・循環させることです。
 換気をしなければ、例え雨や風は防げても、身体に害のある建物になってしまうこともあります。換気の不足は、結露を発生させる原因となり、建物自体の耐久年数を短くすることもあります。
 人間が健康的に暮らしながら建物を維持していくためには、換気によって一定量の空気を継続的に導入することが大切です。

 しかし、換気装置が付いているだけで十分な換気が行えていない場合が数多くあります。換気装置の選択において、まず確かな換気が行える換気装置を選ぶ必要があります。
 換気が十分に行えていないと、シックハウスや建物の短命化等の様々な被害を居住者に与えかねません。

換気の必要性

 従来の住宅換気は、建物自体の隙間や建物自体の各部に設けられた換気口からの自然換気に頼ってきました。 無風状態で一時間に1~2回も建物の容積と同じ量の空気が内と外で入れ替わるような気密性の低い住宅では、当然外部においてちょっとした風力による風圧が生じるとこの自然換気回数は7~8回にもなるため、換気はコントロ-ルできません。
 また、気密性の低い住宅は保温性が低くいため、無駄に冷暖房エネルギーを消費してしまう事になります。

 気密性の高い住宅、相当隙間面積が少なくとも1.8cm2/m2、換気回数1.5回/50pa、自然換気回数0.1回以下の気密性の高い住宅では、隙間からの自然換気や風力による漏気はほとんどなく、従来のままの換気計画では、空気は汚れ、室内で発生した水蒸気の滞留などで、臭いや結露に悩まされることになり室内の環境を損ないます。それ故、気密性の高い住宅では換気を計画的に行うことが非常に重要となるわけです。

 近年では住宅の気密化に伴い換気不足が原因でのシックハウス症候群等の健康被害が増えております。夢のマイホームでシックハウス等の健康被害を受けないためにも24時間の換気を行う必要があります。

自然換気と機械換気

 換気の方法は、自然換気と機械換気による換気方法とに大別することができます。

 自然換気とは機械によらず窓を開けて自然の通風を利用したり、空気の温度差を利用したりして対流を利用する方法です。自然換気では換気量をコントロールできないという欠点があります。

 一方、送風機や排風機を用いて強制的に換気する方法を強制換気と言います。機械換気は換気量の制御を行えるほか、フィルターをとりつけて空気を清浄化することも可能です。 さらに熱交換機をとりつけて、換気によって一緒に排出される熱を一部回収することも可能です。

 この機械換気設備には3つの方法があり、国内外製問わずに様々な種類のものが出回っています。

 気密住宅では換気量を定量化しバランスをとることが非常に大事ですから、自然換気や局所換気では換気量をバランスよく制御することはまずできません。となると、熱交換型の換気システムか集中制御の第3種換気システムで換気空気の量を制御することになります。

 熱の損失を考えると熱交換型換気システムが一見良さそうですが、各部の給排気口の給排気量を定量化しバランスを取ことはひじょうに難しく、また、ダクトや熱交換器のフィルターに発生する微生物による空気汚染を考えると室内の水蒸気を排気せずにリターンさせる全熱型が全盛の国内の熱交換型換気システムには多くの問題もあり、顕熱型の外国製の換気システムに勝るものがないのが現状です。

 さらに、熱回収しているから何となく省エネルギーに寄与しているような感じがしますが、イニシャルコストをそのランニングコストから回収することは日本の電力コストが欧米の数倍と高いことからしても難しいのが現実です。

 また、室内の圧力が外に比べて正圧(+)の場合には、建物内の空気が常に外へ出ようとするので、湿気等が壁体内(断熱層)に入り内部結露の原因を作りやすく、逆に負圧(-)の場合には、壁体内に室内の水蒸気が入りにくくなります。どんなに気密性能が良い建物でも隙間は必ず存在するので、隙間を通じた水蒸気の移動は避けられません。換気の方法や気密性能によっては、内部結露を起こす結果にもなりかねないので十分に注意が必要です。

 換気システムと換気量を考えた場合、どこからどのくらいの量を確実に排気するべきかが重要であることは言うまでもありません。日本のように四季があって窓を開けるケースも多い場合に、給気型では便所や浴室などの排気場所から全く排気されないことにもなりかねず、従って、常に確実に便所や浴室、納戸などで排気することができる第三種換気の方が住宅には望ましいでしょう。

 さらに設備コストと言った点では、イニシャルコストも安く、給気口や排気口のセッティング、ファンの大きさや能力によって1台のユニットで必要量の排気ができ、しかも人為的に空気の流れをある程度制御して気流の流れも一定にすることができる自然給気機械排気システムが最も合理的な換気設備と言えます。

換気の種類

 換気の方法には幾つかの形態があり、第1種換気、第2種換気、第3種換気設備の3種類に分類されます。

第1種換気設備
交換型換気システムや給気と排気のための換気機械を組み合わせ、同時給排を行う換気設備を第1種換気設備と言います。 両者とも送風機と排風機を併用する方法で、吸気量と排気量の調整により室内の気圧を外気圧に対して正圧(プラス圧)に、あるいは負圧(マイナス圧)に保つことが出来るなどの利点があります。

第2種換気設備
 給気側ダクトに微生物などが繁殖するなどの問題もあり、シックハウスシンドロームの原因の一つになるため、その維持管理が問題となって来ています。また。イニシャルコストが高いという欠点もあります。 送風機で室内に外気を供給し、排気は排気口から自然排気で押し出して行う換気設備を第2種換気設備と言います。 この方法では室内がプラス圧となり、出入口のドアを開けても他の部屋から汚染した空気が入ってこないという利点があります。 もともとは無菌室や手術室などクリーンルームに採用されてきた特殊な換気方法で、気密性能が高くない住宅では隙間から室内の水蒸気を含んだ空気が外部側に流れるために、冬季間に壁体内結露を起こす可能性が高く危険です。

第3種換気設備
 居室に設けた給気口から自然に空気を導入し、ダーティゾーンを中心としたところから排気ファンで排気する換気システムを第3種換気設備と言います。 室内の空気は外気に対して負圧になり、出入り口のドアを開けた時も室内空気が流出しない特長があります。 従来は、トイレや厨房等、大量の水蒸気や湿気、臭い発生するところ汚れた空気が外に流れないようにするように排気ファンが局所で設置されてきました。

換気計画

 換気計画の基本は、なによりも換気の経路を明確にすることです。即ち、建物内部の空間において一方通行の空気の流れをつくり、どの居住空間にも新鮮な空気を行き渡らせ、また、水蒸気の発生箇所や汚染空気の発生源から直接排気して、それらが他の空間に拡散しないようにすることです。

 分かり易くそのフロ-を説明すると、換気計画を立てる時には第一に給気口と排気口の位置を設定します。給気については、外部から新鮮な空気を常時使う部屋へ取り入れ、ヒ-トショックを起こさないように配置計画します。

 次に建物の中に大きな空気の流れる道筋を立て、給気口から入った新鮮空気がその道筋を通って流れて行くに従って汚れていき、やがてその汚染空気が排気口へと導かれるようにします。本来は、一つの部屋ごとに給気口と排気口を設けて換気することが最も理想ですが、設備上、イニシャルコストがかかります。コストをあまりかけないで計画するとなると、間取りを開放的にして家全体を一部屋のオ-プンスペ-スと見立て換気をすれば良いわけですが、実際には寝室やトイレや浴室などは独立した区画としなければならずそう簡単にはいきません。

また、ダクトを使って新鮮空気を導入した場合はダクト内部に繁殖する微生物も健康性の問題から気になります。

 給気口と排気口の配置は、排気されずに汚れた空気が循環して戻って来ないようにバランスのとれた給気口と排気口を配置計画することが大事です。また、独立した部屋では給気口と排気口をできるだけ離し、対角線に配置するようにし、せっかく導入した新鮮な空気がすぐに排気されることなく、十分に汚れた空気と入れ換わるように、一方通行の空気の流れを作ることが重要です(ショ-トサ-キットの防止)。

新鮮空気の給気は居間や寝室、子供部屋などで行い、排気は汚染空気や水蒸気が発生する台所、浴室、トイレなどから行うことが理想的であり、故に、臭気の発生する箇所や水蒸気が多量に発生する箇所はできるだけ分散せずにまとめた方が排気し易く換気計画が行い易くなります。

しかし、一般的には、これら臭気や水蒸気の発生する箇所での換気は他室の換気システムとは別系統で、局所換気で排気だけを行っている場合が多く、このような場合どこか一箇所で排気ファンを回すと室内が負圧となり圧力バランスが崩れ、せっかく暖めた空気を捨てるばかりか、冷たい空気を導入させてしまう原因となってしまうため、圧力バランスが損なわれないように局所換気をさせた場合のみに開く空気の給気口を設置することが必要となります。

 現在、我が国の住宅に係わる省エネルギー基準では、先に話した自然給気強制排気型の換気システムの使用が推奨されています。

換気量の算定方法

 計画換気とは、断熱性能を無駄にしないために、給気口及び排気口の設置位置を明確にし一定量の換気量を断続的に確保し建物内を清浄に保つことを目的としています。

1.必要換気量の算定には、炭酸ガス濃度を基準とした場合、成人1人あたり30m3/人・h程度の換気量が必要とされています。
2.他には、喫煙者が多い室では浮遊粉塵量が0.15mg/m3を越えてしまうため40~50m3/h必要になります。
その他に室内の炭酸ガス濃度からの算定方法
mso-ansi-language:JA'>必要換気量(m3/h)=室内に発生するガスの量(m3/h)÷(ガス許容濃度-外気ガス濃度)

(例)
居室に5人存室者がいるとき、CO2濃度からみた必要換気量(m2/h)の算定
一人当たりの呼吸によるCO2排出量 :0.022m3/h
大気中のCO2濃度         :0.03%
室内空気中のCO2許容濃度     :0.1%

一人当たりの換気量
CO2排出量÷(CO2許容量-大気中CO2濃度)=一人当たりの換気量0.022m3/h÷(0.1%-0.03%)≒31.43m3/人・h

存室者が5人なので
31.43m3/人・h×5人=157.15m3/h

必要な換気量

 人が健康的かつ衛生的に生活を行うためには、最低でも0.5回/h以上の換気回数の換気量が必要です。換気量が多ければ多いほど新鮮で衛生的な空気環境を実現することができます。しかし、大量に換気を行うと、せっかく冷暖房した室内も過大な換気によって大きな熱損失が生じてしまいます。換気量の適正なバランスをとることが大切です。  容積で言うと、平均的な125m2程度の住宅の気積はおよそ300m3位ですから約150m3位の換気量が最低でも必要になる訳です。  日本の法律としては平成15年7月1日から改正建築基準法(シックハウス対策)として常時の換気設備の設置が義務付けられました。

 換気設備が義務付けになることで住宅においては最小換気量が法律によって定められ、0.5回/h以上の換気回数の換気を行わなくてはなりません。

換気量の測定

 北欧などでは、住宅における換気量の測定は人の健康性に係わるところから、住宅の完成時において換気風量の測定は重要な事項となります。しかしながら、改正された建築基準法では、換気設備については技術基準が定められたものの換気風量に関しては最低換気回数が定められただけでその風量の確認は求めてはいません。建築材料の総量等のチェックは確認申請時に行われことで安全性を建築主事が確認しますが、換気回数が確保されているかいないか確認していません。

 換気風量が法の基準を満たさなかったために科学物質敏感症を発症するようなことなどがあれば、建築施工を行ったビルダーなどは瑕疵責任を 問われ、新築した住宅に対する改善の命令だけではなく、場合によっては発症した人から損害賠償請求を提訴される可能性もあります。

粉塵付着量

 日本国内では、セントラル換気に施工手間がかからないなどの点で小口径(50φ、75φ)ダクトが多く採用されています。また、天井懐内でダクトの取り回しを行えないということで径を小さくされる場合もあるようです。小口径ダクトを使用すると施工が容易になりコストも多少削減することが出来ます。しかし、数年の内にダクト内部には粉塵などが付着してしまい換気性能が著しく低下してしまいます。

 ダクト内部に付着した粉じんなどは微生物・真菌類の温床となり、さらには室内汚染の原因となりシックハウス防止のために設置している機器がシックハウスの原因になりかねません。不衛生な空気を呼吸しないために供給側ダクトはクリーンな状態に保つ必要があります。
 下図は、約10年清掃やメンテナンスを行っていないダクト内部です。(ただし、建物の外部・室内の状況により付着量には相違があります)



-排気ダクト50φ内部(粉塵清掃前)-



-排気ダクト50φ内部(粉塵清掃後)-



-排気ダクト100φの内部-



排気側に用いられているダクトであれば、上記100φのように多少の付着は汚れた空気を外部へ排除するため許容範囲内ですが、給気側のダクトがこのような状態になってしまった場合、汚れたダクト内を通過しながら室内に外部空気を供給することになり室内が不衛生な状態になりかねません。

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